睡眠時無呼吸症候群（SAS）

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の症状SAS Symptoms

これらに当てはまる方は睡眠時無呼吸症候群（SAS）の可能性があります。

• 周囲の方からいびきを指摘される
• 寝ているときに呼吸が止まる
• 夜間の睡眠中によく目が覚める、息苦しくなって目覚めることが多い
• 寝ているはずなのに熟睡感を感じない
• 起床時の頭痛や体のだるい感じ、倦怠感がある
• 日中に強い眠気を感じる
• 運転中に眠気を感じてしまう

睡眠時無呼吸症候群は自分では気づきにくく、人からのいびきの指摘などにより医療機関を受診したうえで検査を行い、発見されることが多くあります。
また、いびきや無呼吸以外の症状がない場合もありますが、多くは日中の眠気や倦怠感を伴います。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の原因SAS Causes

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の主な原因は、タイプによって異なります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に喉が一時的に狭くなって、空気の通り道が塞がってしまうことが原因で発生いたします。肥満により脂肪がついてしまうことや、顎の骨格、喉の奥の形状といった要因も原因となり得ます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳から呼吸をする指令が来なくなる、あるいは脳からの呼吸のシグナルが減弱して発生いたします。脳卒中や心機能低下において比較的よく見られます。神経変性疾患、頚椎症、脊椎術後、薬剤性によるものも考えられます。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の合併症とリスクSAS Complications & Risk

睡眠時無呼吸症候群（SAS）を放置しておかれますと、睡眠中の低酸素や日中の眠気などによるストレスのために、様々な合併症を引き起こす危険性が高まります。

• 高血圧、脳卒中、心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患
• 糖尿病
• 高脂血症（脂質異常症）
• 不整脈
• 心不全

これらの合併症により、突然死に至る患者さんもおられます。

特に、AHI（呼吸が止まったり浅くなったりする回数）が20以上の患者さんについては睡眠時無呼吸症候群（SAS）の症状としては、中等症〜重症に該当しますので注意が必要です。

さらに、日中の強い眠気は、自動車の運転中の居眠りなど、様々な事故につながる可能性があり、社会的な問題となることもございます。

その他にも、慢性的な寝不足により日中の抑うつ気分や集中力の低下が見られたり、動脈硬化が進行したり、認知症のリスクが上昇したり、不整脈を直接的に起こすリスクが上昇したり、うつ病を合併したりするなど、心身に様々な悪影響を及ぼします。いびきだけでも動脈硬化のリスクになる可能性も指摘されております。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）を正確に診断し、必要に応じて治療を行うことは極めて重要になります。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の検査SAS examination

睡眠時無呼吸症候群（SAS）の検査は、睡眠中に無呼吸や低呼吸が存在し、体内が低酸素に陥っていることを証明することで行われます。重症度やタイプ（中枢型、閉塞型、混合型）の診断も重要となります。

診断のための検査は通常、二段階で行われます。

CPAP療法・眠時無呼吸症候群（SAS）の治療法SAS Treatment

経鼻的気道持続陽圧療法（CPAP療法）

最も重要で有効な治療法とされております。鼻にマスクをつけ、特殊な機械で圧力をかけて空気を送り込むことで、気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸をなくします。

中等症から重症と診断された患者さんに特に効果的で、AHI（呼吸が止まったり浅くなったりする回数）が20回以上に増えた場合に適応になると考えられます。

装着したその日から症状が解消されることが多く、日中の眠気軽減、睡眠の質の向上、血圧低下などの効果が期待できます。無呼吸による脳梗塞や心筋梗塞のリスクも大幅に低減させます。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）を放置することは、日常生活への影響のみならず、命に関わる重篤な合併症のリスクを高めます。ご自身やご家族の健康を守るためにも、心当たりのある方は当院にご相談ください。